神戸市北区の耳鼻科 副鼻腔炎やこどもの中耳炎にも対応 めまい相談医

めまい

めまいの検査について

 まずは、「めまい」とは?

 平衡感覚は前庭感覚と呼ばれる耳からの感覚、眼からの感覚、深部感覚と呼ばれる足などの筋肉や腱からの感覚とそれらを統合する脳(中枢神経系)によって成り立っています。めまいはこれらの感覚間のミスマッチや統合異常で生じます。

 めまい症状は、自身は静止しているにもかかわらず、まわりの景色が動いて見える異常とも言えます。回転したり揺れ動いたりして見えます。「めまい」は起こり方によって、急激に発症するもの、慢性的に持続するもの、発作を繰り返すものというように3通りに分類されるようになって来ていて、「回転性めまい」とか「浮動性めまい」とかに分類することはなくなってきています。

「動いて見える」ということは、目が動いているということです。自分の意思で目を動かしているのではないので、異常な目の動きと言えます。

この異常な目の動きを客観的に把握することが患者さんに何が起きているのかを考えるのに重要です。

 

 で、「めまいの状況」と「めまいの検査」は?

 突然めまいがすると多くの人が脳の病気、特に脳卒中になったのではないかとパニックに陥ります。めまいについてある程度知っている医療関係者でも突然激しいめまいが起きたらやはり脳卒中を心配するでしょう。

 めまいを「中枢性めまい」と「末梢性めまい」に分類することがあります。

 脳卒中によるめまいは「中枢性めまい」です。中枢性めまいにいち早く気づくことができれば、血栓溶解療法等のごく早期に限られた治療を受けられる可能性も高くなります。したがって、めまい患者さんが救急搬送される場合は搬送先は脳卒中に緊急対応できる施設が望ましいのです。

 しかし、めまい患者さんの大多数は「末梢性めまい」の患者さんです。

 脳卒中が原因でめまい症状が出た「中枢性めまい」の患者さんには、めまい以外にも脳卒中の症状が出ているのが普通と考えられます。

 これに対して「末梢性めまい」の患者さんにはめまい以外の症状が無いのが普通です。

めまいが起きている患者さんには異常な眼球運動(眼振)が見られますが、めまい以外の症状が出ない末梢性めまいの患者さんでは唯一他覚的にとらえられる眼振が極めて重要な観察ポイントになります。それゆえ、めまい患者さんに対して眼振所見を見ないで診療を行えば、しばしば場当たり的な対応にならざるを得ません。CTやMRI等の画像検査脳出血や脳梗塞を診断するのには有効なのですが最も頻度の高い末梢性めまいの診断にはほとんど役に立ちません

 末梢性めまいは視覚などの他の感覚によって代償、補正が効きますので眼振もすぐに目立たなくなってしまいます。したがって、眼振の観察には視覚による代償を除外するために患者さんが何も見ていない状態、すなわち赤外線カメラ等を使って暗所で観察するのが最も勧められ、その設備がなくてもFrenzel眼鏡と呼ばれる強い凸レンズをつけたゴーグルを装着して行うことでも、ある程度の情報が得られることがあります。

 頻度の高い末梢性めまいのなかでも頻度が高いのが「良性発作性頭位めまい」です。

左右の三半規管のどこかに耳石が入り込んで、これが神経に影響するたびにめまいを引き起こす病気です。治療は石を三半規管から排除するか溶かしてしまうことです。石を溶かす薬はありませんから,できれば石を追い出してしまう治療が効果的です。そのためにはまず左右で合計6つある半規管のどこにどんな風に石が存在しているのか確認する必要があります。これには先に述べた「眼振」を観察する以外に方法はありません。CTやMRIではわからない事を銘記すべきです。そして診断が確定できれば、場当たり的な薬物治療ではなくエプリー法に代表される適切な頭位治療を行うことができます。

 当院ではこの検査に赤外線CCDカメラを備えて暗所開眼下の検査ができるゴーグルを使用し、且つその時の眼球運動をコンピュータで解析できる装置を用いて中枢性めまい患者さんに現れるような異常眼球運動も観察できるようになっています。

 眼球運動の検査(目の動きの検査)

 

自発眼振検査(Spontaneous Nystagumus)

 暗所開眼という、視覚の影響を除いた状態で起こる、自然の状態での眼球の動きが観察できます。通常では観察できない眼振が高頻度で観察できます。

注視眼振検査(Gaze Nystagumus Test)

 上下左右を注視できるかどうか、その時に異常な眼球運動が存在しないか調べます。眼球は通常はド真ん中にしかあり得なくて、側方注視は脳幹部の神経積分機構が正しく働いてはじめて可能となります。この機構を調べる検査です。

指標追跡検査(Smooth Pursuit Tracking)

 スムースに動く物体を眼で追従できるかどうかを調べます。小脳や脳幹機能の検査です。

衝動性眼球運動検査(Saccade Test)

 視線を変える検査で、瞬間的に移動する物体を眼で素早く正確に追えるかどうか調べます。例えば、正確性が損なわれていれば、小脳における測定障害の鋭敏な指標と考えられます。

視運動性眼振検査(OptKinetic Nystagumus Test)

 動く物体を目で追いかけること出来る速度を調べます。小脳脳幹の機能検査です。

頭位眼振検査(Positional Test)

 頭の位置の変化(重力の耳に対する影響の変化)で起こる眼振を調べます。耳石によるめまいの方はこの時に出現する眼振が決め手になります。椅子に座った状態やベッドに横になった状態で頭の位置を変えて、出現する眼振の状況を解析します。

頭位変換眼振検査(Positioning Test)

 上の頭位眼振検査と同様ですが、めまいで一番多いと言われる後半規管型の良性発作性頭位めまいの診断には唯一の決め手となる検査法です。ベッド上で頭を45°横に向けた状態で素早く寝起きした時に現れる眼振の状況を解析します。

温度眼振検査(Caloric Test)

 耳に温水や冷水を注入すると三半規管(水平半規管)を刺激することができます。その際の三半規管の状態は眼振となって表れます。この眼振は視覚によって抑制されます。耳の刺激で眼振が発現したり、視覚で抑制される経路は耳だけでなく、当然のこと脳が関与しています。先の視運動性眼振検査とこの検査を組み合わせて脳のテント下病変の部位診断が試みられたデータがあります。以前に耳性めまいとして神経内科から紹介を受けた患者さんにこのデータをあてはめると、小脳障害のパターンに一致し、後日になって後下小脳動脈領域の小脳梗塞が判明したことがありました。

V-HIT(video Head Impulse Test)

 ヒトは目の前の一点を見つめたままの状態で頭を急速に動かしても、耳の平衡能力の働きが正常であれば一点を見続けることができます。この能力に障害が起きていないか調べます。たとえば、右耳の平衡機能に障害がある場合、急に頭を右に振ると、頭と一緒に目も右に動き、コンマ数秒後に急速に左に視線を戻す動き(Catch Up Saccade)が起こります。この動きを1秒間に300コマ程撮影できる高速度カメラで撮影してコンピュータで解析します。この検査で異常がなく、眼振が垂直性であったり純回旋性の場合や、眼位が垂直にずれている急性めまいの患者さんはMRIに異常が見出せなくても脳からくるめまいを疑うべきと言われています。

これらの検査では眼を観察しますが「目の検査」ではありません。「耳と脳の検査」ですので、検査中は目を大きく見開いていていただき、キョロキョロすることなく、まばたきをできるだけ控えていただけると良い検査結果が得られます。

 

めまいの検査はめまい患者さんだけに行われるものではありません

 

歩くのが難しい、ふらつくという人。身体のバランス感覚、平衡障害のせいかも知れません。手足を動かす能力の低下や筋力の低下だけのせいにしていませんか。

安定した歩行や姿勢の維持のための努力やリハビリは運動だけではなく、感覚にも力をいれると効果的と思われます。転倒予防の観点からも平衡機能検査での評価をお受けになることをお勧めします。めまいの患者さんだけの検査ではありません。

 


TEL 078-939-7801 受付時間:月火水金(9:15~12:35, 15:15~18:35)、土(9:15~12:35)






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