かつて、めまいで病院に行くとすべて「メニエルやな」と言われたほどポピュラーな病気です。
が、そんなに多くはありません。
メニエル病は耳鳴りや難聴などの蝸牛障害を伴うめまい発作を反復する病気です。
病気の本体は内リンパ水腫とされています。
以下は日本のめまい学会が定めるメニエル病の診断基準です。が、
人が暫定的に定めただけのもので、今後変更されることがあることを留意しておくべきです。
今でも、メニエルと言われて薬を飲んでも改善しないという方が大変多くいらっしゃいます。
その方々は「メニエルに効くもっといい薬」を求めていらっしゃいます。
しかし、検査してみると上のBの➁で全く別の眼振所見であったり、④の基準を満たさず、
メニエルではない別のめまいであることが判明することが非常に多くあります。
メニエル病と言われた方は、診断の根拠が、眼振等の診断基準を満たして言われたのか、
聞かれた症状からだけで、場当たり的に言われたのか是非とも主治医に確認してください。
いい薬があったとしても、メニエルでない人にメニエルの薬は効きませんから。
Bの⑤のガドリニウム造影MRIについてはまだあまり普及しておらず、実施可能な施設は限られています。
当院では実施可能です。
(左耳に内リンパ水腫の部分が黒く写っています。右は写っていません。)
治療は有酸素運動と水分摂取が最も勧められ、
むくみを取る薬といわれる液体の飲み薬はかえって悪化を招くという学会報告があり要注意です。
ストレス対策も重要です。