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前庭神経炎 激しいめまいでも怖い病気でありません

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年余に渡ってふらつきやめまいが治らず、

多くの医療機関を転々とされる方(めまい難民)が多い病気です。

前庭神経炎(一側の内耳障害のめまいの代表的疾患)は機能が回復しなくても、

脳による静的代償作用で時間の経過とともにめまい症状は軽快します。

「いただいた薬で治った」という勘違いは危険です。

代償作用が働いても動的平衡障害は完全には代償されず、

頭や体を動かした時のめまいやふらつきが残る人も多くいらっしゃいます。

耳のバランス機能が低下していても、

視覚や体性感覚がそれを補って自覚症状がはっきり出て来ないのです。

特に高齢者であれば転倒の危険性が高まり、

大腿骨の骨折が起きれば寝たきりになる人もあります。

治療は、代償を促進する前庭リハビリが有効で、

特に体性感覚入力が重要であると言われます。そのため、

なるべく早い時期に離床し、積極的に動き回ることがすすめられています。

また、投薬が治癒過程を遅らせる可能性についての報告があります。

薬に頼った昔ながらの日本の医療は、この疾患には不都合であることを銘記すべきです。

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