花粉症
特徴
アレルギー性鼻炎の一種で、花粉がアレルゲンであるもののことです。当該の花粉の飛ぶ季節だけ症状が現れます。主なアレルゲンは、スギ、ヒノキ、シラカバ、ブタクサ、ヨモギなどです。
喘息・アトピーと並び、日本国内において花粉症の人口は1,000万人以上に上り、もはや国民病とも言われています。
原因は食生活や住環境の変化により、アレルギー体質の人が増加していることや、大気汚染など様々な要因が考えられていますがまだよくわかっていません。
治療法
初期療法
花粉飛散前からお薬を飲み始めることで「症状の発症を遅らせ」「症状の具合を軽くする」「強い薬を減量する」ことが狙いです。
発症2~4週間前からの服用をお勧めしています。
当院から皆様に知っていただきたいこと
当院では様々な対処法の組み合わせの中から、花粉の飛散状況だけでなく、患者さん個々の症状やライフスタイル、ご希望を勘案して最も最適な治療法の組み合わせを選び出す取り組みを行っています。
ただ、それでも花粉症の症状から逃れられない方はどうしても何%かは存在します。また、つい先日までずっと効いていたお薬が何故か効かなくなってしまうような場合もあります。こういった場合の対処法も検討します。
花粉症は「いかに症状を回避するか」が重要です。
アレルギー性鼻炎
症状
- くしゃみ・鼻水・鼻づまり
- 鼻・目・耳のかゆみ
- 咳
- 頭痛
- 身体のだるさ
- 熱っぽい
など個人によって様々な症状が現れます。
特徴
アレルギー性鼻炎のタイプは2種類に分かれ、原因も異なります。
ほこりやダニ等に反応する「通年性」アレルギー性鼻炎
ハウスダスト(ダニ)・ペットの毛・カビ(真菌)
スギ花粉症に代表される「季節性」アレルギー性鼻炎
スギ花粉・カモガヤ花粉・ヒノキ花粉・ブタクサ花粉
アレルギー鼻炎の原因は、日本ではハウスダスト(ダニ)・スギ花粉・ヒノキ花粉の順で多くなっています。
治療法
投薬治療(アレルギー薬・抗ロイコトリエン薬、点鼻薬など)
投薬治療の長所は「手軽に利用できること」ですが、短所としては、「患者様によって合う薬と合わない薬がある」こと、「眠くなるなどの副作用が起こる可能性がある」ことです。
お薬の種類は様々ですが、選択する際、患者様の病状や生活スタイル(眠気があってもよいか等)を考慮する事が重要です。
アレルギー性鼻炎単独の場合は投薬治療だけでもよい場合も多いですが、副鼻腔炎を合併していて粘度の高い鼻汁が貯留している場合は投薬によって悪化することも考えられ、専門的な処置が必要です。
レーザー治療
アレルギー性鼻炎の外科的な治療方法として鼻粘膜を焼灼する方法です。焼かれた粘膜は元通りには戻りません。多くのうまくいったという例の宣伝を鵜呑みにして安易な気持ちで希望せず、適応には慎重であることが重要です。良好な経過の方もおられますが、焼かれ過ぎて悲惨なことになった方にも時折出会います。したがって、現在当院では行っていません。
減感作療法 舌下免疫療法
アレルギー性鼻炎の原因となっている原因物質に対して、身体の反応を減退させていく方法です。アレルギー症状を起こす原因物質(花粉症の場合はスギ花粉など)を時間をかけ皮下注射し、体を徐々に慣れさせる治療法です。ただし、長期的な通院(月に1、2回の通院を2~3年)が必要となりますし、確率は低いですが、アナフィラキシーショックとなる危険を伴うこともあり現在当院では行っておりません。話題の舌下免疫療法も抗原の投与経路と頻度が違うだけで原則的に同じです。
気をつけていただきたいこと
シラカバやハンノキ、ヤシャブシの花粉症の方に重篤な豆乳アレルギーが出ることがあります。ダイズに対する血液検査が陰性の方にも起こりますから注意して下さい。
アレルギー性鼻炎は住まいの様式や食事の内容も大きく関わっています。運動などによって症状が改善できるとともに アトピー体質の人の発症を予防、または遅らせることも可能と言われています。
- 室内を清潔にする
- たばこの煙を遠ざける
- ペットを室内で飼わない
- 室内の乾燥を防ぐ
- 適度な運動をする