今年度の耳鼻科の学校健診について。

例年通りの健診では、器具を用いて児童生徒の耳・鼻・のどを30センチ程の至近距離で診察します。刺激によって咳やくしゃみが誘発され、飛沫やエアロゾルの発生が危惧されます。その時当然のことながら児童生徒の鼻や口はマスクでは覆われていません

学校生活でソーシャルディスタンスを言われるのは、学校に無症状(または軽症の)の感染者がいることを想定し、それでも感染を拡大させないようにするためです。健診時にはソーシャルディスタンスが保たれません

学校医は日々新型コロナウイルスに感染しているかも知れない患者さんと接していて、感染しないように細心の注意を払っていますが、それでも学校にウィルスを持ち込んでしまう可能性はゼロではありません。

すなわち、双方向で感染が拡大する可能性があります。

健診の対象疾患は「すべて慢性疾患のみとし、急性疾患は定期健康診断より除外する。」「診断の結果はあくまでも「疑い」であり、事後措置の段階において確定される。」とされています。不急の行事であると言えるかも知れません。文部科学省は、健診を、例年であれば6月末までに行うところを今年度は年度末である来年3月末までに行うようにと、期限を延長しています。神戸市ではこれを今年2学期末までと期限を前倒ししたようです。

 当院では学校でのクラスター発生を絶対に避けるため、この健診を新型コロナウイルス感染の状況が落ち着いて学校内でソーシャルディスタンスをとる必要が無くなるまで延期するか、期限にこだわるのならば健診の方法を例年とは異なったより安全な方法で実施できないか模索して来ました。

 しかし神戸地区耳鼻咽喉科医会長からは8月3日に、「この先新型コロナウイルス感染拡大がどのように過酷な状態になろうとも、従来の方法で2学期末までに健診終了するように。」と個別に指示があり、「コロナを怖がっていては耳鼻科は出来ない。」とも言われました。確かに「新型コロナなんてただの風邪」という考えもあるようです。しかし医療従事者が優先して守るべきは人の健康であって、期限やお金はその次でよいと思うのですが、神戸市北区医師会は例年通りの学校健診を実施するつもりのようです。

 このような状況下において、すでに健診が再開されている学校園があるようです。学校健診に参加される方は上記のようなことをぜひ参考にされた上で健診に参加されるようにお願い致します。