今日、切り札の薬を処方された患者さん(乳幼児)が受診された。たびたび呼吸困難な状態になって基幹病院を受診されているという。

 処方はステロイド剤で、吸気性喘鳴等の切り札の薬というコメントが処方箋に記載され、処方は一日2回服用となっているが、2回分を迷わずに一度に服用するようにとも記載されていた。緊急時の対応としては反対しないが、そのような事態となった場合に急いでお医者さんに診てもらう意識が母親になかったことを問題にしたい。

子供を心配する親ならば、例え軽症であっても夜間等であればその薬を投与するかも知れない。そして、無事に朝を迎えることが出来れば、処方医に感謝し、基幹病院に受診しなくても済んだことで処方医に対する信頼度が上がるだろう。

 しかし、稀なことであろうかと思われるが、もし本当に重症であって医師による緊急対応が必要であった場合、「お薬があるから安心」と受診が遅れた場合には不幸な転帰(死亡)となるかも知れない。以前、阪神タイガースの投手の赤ちゃんが亡くなり、裁判沙汰になったことが報道された。この事例も同じような病状であったように記憶している。

 今日来院された患者さんの母親には、薬を迷わずに服用させる時には、服用のうえで、急いでお医者さんに診てもらうこと、出来ない場合は救急搬送依頼も迷わずにすることをアドバイスした。

 処方医の真意は何であるのか疑問の念が残った。