保健所の対応間違い~新型コロナウィルス感染対応~

今朝、一件の問い合わせ電話があった。3日前から臭いがしなくなったと保健所に相談したところ、耳鼻科受診を指示されたという内容。

 論点は新型コロナウィルス感染かどうかということかと考えられる。新型コロナウィルス感染は時に命にかかわる病気であり軽く扱うわけにはいかない。命にかかわる状況は多くが肺炎であって嗅覚障害ではない。検査で陽性が判明した場合、現状ではお医者さんの診療を受けることなく自宅療養を指示され、保健所からの電話等での状況確認だけになることが考えられる。もし肺炎が重症化した場合の対応はどうするのか? 医師の診療を受けていない患者さんの肺炎に対する対応である。

陽性確認した耳鼻科医が在宅医療で肺炎の治療も出来ればよいが、多くは無理と思われる。

 新型コロナウィルス感染発見のきっかけとなった症状が嗅覚障害であっても、新型コロナウィルス感染の治療のキモは肺炎治療であって嗅覚障害に対する治療ではない。 尚、日本耳鼻咽喉科学会は嗅覚障害の治療開始は緊急性には乏しく、新型コロナウィルス感染対応の見地から、2週間後以後にすべきとしている。

 保健所は新型コロナウィルス感染があるか否かの対応は、症状が味覚嗅覚障害という耳鼻科領域のものであっても、肺炎対応が可能な内科等の医療機関の受診を紹介すべきである。ひとつでも多く救える命を救うために。